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※本記事は、2025年3月時点での調査に基づいて執筆しております。
今回の記事では、起業家・ファッションモデル・そして母として多彩に活躍する申真衣さんが取り組んでいる事業についてご紹介します。
申真衣さんは、雑誌『VERY』の専属モデルを経て、現在は『VERY NaVY』のモデルとして活動しています。(https://veryweb.jp/navy/)
雑誌では、ロジカル&シンプルなファッションが紹介されたり、働く母といった面にフォーカスされたり、といった印象があります。
また、起業する前はゴールドマン・サックスに勤務されていたというご経歴もあり、『女性のキャリア』といった視点でYoutubeでお話されているコンテンツも見かけます。
このように、あちこちからひっぱりだこの申真衣さんですが、
本記事では、彼女が『起業家』である面から、その事業について着目していきます。
設立した会社は、ゲーム会社
申真衣さんが代表取締役を務めている会社『株式会社GENDA』(以下、GENDA)は、エンターテイメント事業を展開しています。
モデルのイメージが強いので、美容に関する事業かなと思っていましたが(単純・・・。)、全く異なる業界でした。
エンターテイメント事業とは、例えば、ゲームセンターやカラオケ施設の運営、アミューズメント機器のレンタルなどです。
GENDAは、2018年に設立され、アミューズメント機器のレンタル事業からスタートしました。2021年には、セガ エンタテインメントを完全子会社化しています。他にもM&Aを手掛けて急成長を遂げ、2023年7月に 東京証券取引所グロース市場に上場を果たしています。
創業から2年後の2020年には、新型コロナウイルスの出現により、アミューズメント施設の休業による危機もあったことでしょう。そのような状況の中での急成長を支えた事業のひとつが「オンラインクレーンゲーム事業」のようです。
GENDAのオンラインクレーンゲーム事業と特許
GENDAが展開している、多岐にわたるエンターテイメント事業の中でも、特に気になったのがオンラインクレーンゲーム事業です。
クレーンゲームとは、多くの方がご存知の、ゲームセンターに並んでいるあの機械ですね。

クレーンゲームを、自宅などから自分のスマホを使って操作し、ゲームプレイできます。さらに、ゲームで獲得した景品は自宅に配送されるそうです。すごい!!
ゲームセンターに行く機会があまりない私にとって、「このクレーンゲームをオンラインで遊ぶのが当たり前」という時代になっていることに驚きました。クレーンゲームが大好きな人は、いつでもどこでも、好きなだけゲームプレイできるのは嬉しいですね!
もちろん今でも、リアルのオンラインゲームならではの良さもあり、家族のお出かけやデートで、ちょっと寄っていこ!といったような「みんなで楽しむ」といったシチュエーションでは、リアルのクレーンゲームが活躍しているようです。
さて、このオンラインクレーンゲームのシステムについて、GENDAが特許出願・権利化していることが分かりました。
特許第7457523号
発明の名称:ゲーム方法、ゲームシステム及びゲームプログラム
出願番号 :特願2020-27621
出願日 :令和2年2月20日
ステータス:登録
特許のアイデアの内容を簡単に説明すると・・・
ユーザーの端末、ゲーム装置(カメラ付き)、そしてゲームシステムの運営者の端末、景品を配送する配送業者の端末がネットワークを介して繋がっています。

特許第7457523号 図1より引用
システムの概要がわかりやすいだけでなく 可愛らしい図面ですね
ユーザーが、クレーンゲームをプレイするときのステップです。
まず、ユーザーは、スマホ画面を介して希望する景品を選ぶと、選んだ景品が獲得可能なゲーム装置の候補が表示されます。

特許7457323号 図9より引用
このとき、ゲーム装置の稼働状況(使用中、メンテナンス)を考慮して候補が選ばれています。
そして、候補として選ばれた複数のゲーム装置の中から、ユーザはゲームプレイする装置を選ぶのですが、画面を切り替える操作によって装置の映像をそれぞれ見ることができます。

特許7457523 図27図28より引用
ゲーム装置の様子を1台ずつ確認後、ユーザーはゲームプレイする装置を決定します。
リアルでクレーンゲームをプレイする場合も、ゲームセンターの中を回りながら、どの景品が欲しいかな、どのゲーム装置だと景品が取れそうかな、といった視点で、お金を投入するゲーム装置を決めますよね。そういったユーザーの行動が反映されているオンラインシステムになっています。
この特許は2020年に出願されています。ちょうど外出の自粛が始まり、自宅で過ごす時間が増えてきたタイミングですね。
(ご参考)
今回ご紹介したオンラインクレーンゲーム事業は、GENDAのグループ会社「株式会社GENDA GiGO Entertainment」、「株式会社GENDA Games」が行っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
申真衣さんは、インタビューにて「エンターテイメントは人の根幹に関わる成長分野」であるとお話されています。(参考:NHKオンラインサイト)
確かに、クレーンゲームを例に取ってみても、クレーンゲーム自体はもう何十年も前から人気を集めているものの、景品のバリエーションは時代とともに増えているように感じます。
今後のGENDAの成長、そしてエンターテイメントの発展も注目ですね!
オモチさんが執筆される身近で楽しい記事をこれからもご期待ください!

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作家名
金田 有美子(通称オモチ)
略歴
弁理士として特許事務所で働く傍ら、身近な商品・サービスと知財をテーマに記事執筆をしています。企業知財経験もあります。
現所属先
弁理士法人IPX
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BAMBOO INCUBATOR 専門家メンバー
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