前回までのあらすじ

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このお話で学べること
本編
瑛大と相談して遂に方向性がまとまってきた 新の初めての特許出願。
今日はいよいよ特許事務所の弁理士を交えての打合せ…
特許部員
今日は弊社の出願のお打合せよろしくお願い致します。

弁理士
よろしくお願い致します。

弁理士
出願のご依頼をとても楽しみに待っていました!

主人公
何とか今までにないボールペンの案が出来ました!

先輩
事業に資する特許になるようバックアップよろしくお願いします!

弁理士
全力で支援させて頂きます!

特許部員
それじゃあ早速だけど…
まずは新くんから技術内容を説明して貰えるかな?

主人公



弁理士
これはまた随分やりがいのあるお仕事ね!真琴さん。

弁理士
とってもワクワクします…!

主人公

先輩
新は弁理士さんへの出願依頼は初めてなので位置付けを再確認しときますか?

特許部員
新くん、前回まで僕と一緒に出願の準備としてどんなことをしてきたかな?

主人公
特許出願の方向性を決める設計図を描いて来ました!
特許部員
具体的に検討した内容を教えて貰えるかな?

主人公
②審査を突破し権利が潰されないための特許性の補強
③特許権が侵害された場合の訴訟での使い勝手等です。

先輩
①~③を1件の出願で全て完璧にするのは難しい。
せやから特許出願の目的に照らして何を重視した設計にするかを決めていくことが大事やな。

特許部員

先輩
特許事務所の弁理士さんにはその工程を依頼していく訳やな。

主人公
如何にその設計図とズレなく文章に落として貰えるかが大事なんですね?

先輩
実体の無い技術的な思想を捉えることには想像以上に高い創意工夫が必要やと思わんか?
特許部員

弁理士
法律や基準にも幅があり絶えず進化していきますので、各国の最新の実務傾向を取り入れながら出願明細書を作成することを心がけています。

主人公
常に最新のルールや傾向を把握しながら、創意工夫して技術内容を表現して下さっているのですね…。

先輩
いくら高い専門性が求められるからといって、この工程を弁理士さんに丸投げするだけでは良い出願書類は生まれへんで。

特許部員
僕らが準備してきた出願の設計図も複雑な構想だったよね。
そしてそれを出願書類に落とし込む時にも専門的な創意工夫が入るとなると…

主人公
特許部員
自分達が設計した各内容が出願書類のどこに表現されるものなのかを知っておくことが大切なんだ。

先輩
特許部員
出願の設計図の各項目と出願書類の各パーツとの対応関係を説明するね。

弁理士
せっかくなのでそこは真琴さんにやらせても良いかしら。
新さんとタッグを組んで出願書類をつくっていくことですし…。

特許部員
真琴さんお願いしてもよろしいですか?

弁理士

主人公

弁理士

主人公
①書誌事項②要約書③特許請求の範囲④明細書⑤図面ですよね!
特許部員
ここにまとめてあるからまた復習しておいてね!
たま 動画で学びたい方は一番下まで飛んで下さい。 [adcode] 前回のあらすじ 今注目の文房具メーカーに研究者として勤める新は 上司である朔の薦めで特許部員の瑛大か[…]
特許部員
いつものように出願内容の構想(設計図)は描いてあります。
それらが出願書類のどこに落とし込まれていくかの対応関係をご説明頂けますか?
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弁理士

弁理士

主人公
一番具体的な内容は出願明細書の最下層にくるんですね。

弁理士

主人公
発明は先行技術に対する差分で定義するものだと教わりました!

弁理士
こちらは明細書の一番上の方の従来技術の欄に記載します。

弁理士
それを特許請求の範囲の欄に表現します。
特許部員
仮設計の時に最低限先行技術に対する新規性は確保しておいたよね…

弁理士

主人公
最低限そこはクリアしておかないとですね。

弁理士

特許部員

主人公
具体的には進歩性やサポート要件を突破するためにロジックを練り上げましたよね!

弁理士
こちらは、課題、解決手段、効果の3点セットに跨って記載します。

弁理士

弁理士

主人公

特許部員
これで出願書類作成にあたってのコミュニケーションの質は格段に上がりそうですね。
特許部員
出願書類の骨格を捉える上で重要な視点があるので伝えておくね。

主人公
特許部員

弁理士

特許部員
当然 上位概念で捉えた発明の方が広く権利を獲得できる可能性はある訳だけれど…

主人公
希望する権利範囲を拡げすぎると関係する先行技術も増えて突っ込みどころが多くなるので…。

先輩

特許部員
権利範囲の広狭 と 特許権としての強弱(審査を突破できるか/権利を潰されないか)は逆に連動する傾向があるんだ。

弁理士
範囲は狭くとも強度の高い本丸を構えながら…
徐々に範囲の広いお堀を設けていくイメージで発明を段階的に定義することが大切なんです。

主人公
特許部員
最も権利範囲の広いお堀は発明としての必須の条件だけでシンプルに表現します。

特許部員
ボールペンにセンサーを取り付けたという条件だけで表現した技術ですね。

主人公
指定する条件が少ない程、権利範囲としては広くなりますね。

特許部員
何でも良いから取り敢えずセンサーを取り付けただけのボールペンなら先行技術も見つかるかもしれないし…。

弁理士
例えば…センサーで検知した美文字データを記録するチップも取り付けたということを表現してはどうでしょう?

主人公
確かに権利範囲は狭まりますけど、先行技術も入り込み難くなるので審査は突破しやすそうです!

弁理士

弁理士
取り付けたセンサーは何でも良い訳ではないのでそこは具体化できると思います。
持ち手部にはボールペンを握った時の圧力を検知するセンサー、ペン先部には書く時の軌道を検知するセンサーを用いるというような条件を加えたいと思います。

特許部員

主人公
出願書類の実際の記載に照らすとどうなりますか?
特許部員
請求項1>請求項2>…と広いお堀から順に条件を加えて狭めていき、最下層の請求項で本丸を護るようなイメージです。

主人公
請求項って幾つでも書けるんですか?

特許部員
書いた分だけ審査にかかる費用は増えるし単に数を多ければ良い訳ではないけど…
権利範囲の広狭と特許権としての強弱のバランスを考えながら段階的にお堀を設けて自分達の事業を守る意識は大事!

主人公
出願明細書の方ではどうなりますか?

弁理士
出願明細書では、①~④のパーツにバラシて技術的な意味合いを述べた上で、それらを統合して1セットの発明を説明します。

弁理士
これはコツの一つなのでぜひ頭に置いて実際の出願を検討していきましょう!

主人公
出願書類への落とし込み方のイメージを掴んだ新。
茂瑚山弁理士、真琴弁理士と打合せを進めて無事出願依頼の内容が固まった。
特許部員
それではこの内容で出願書類の作成を正式にご依頼させて頂きます。

主人公
よろしくお願いします!

弁理士
良い出願明細書になるように頑張りますっ!

特許部員
もこさんとまこっちゃん♡ いらっしゃってたんですね~!

弁理士
相変わらず美人さんね~!

特許部員
もう…もこさんったら、からかわないでくださいっ!

弁理士

特許部員

弁理士
ごめんね、葵ちゃん^ ^
久しぶりに会えて嬉しくなっちゃって♡

特許部員
私もです。

弁理士

特許部員
今回も面白かったですね♡

主人公

特許部員
野崎篤志さんが知財に関係するゲストを呼んで様々なテーマでトークセッションをする番組なんだ!

主人公
二大巨頭のもう一角は何なんですか?

特許部員

主人公
両方ともライブ配信みたいですけど特徴の違いはあるんですか?
特許部員
テーマは知財ど真ん中のものが多くて内容も深いよ!

特許部員
テーマは知財が関係しながらもバラエティに富んでいて視野を拡げるにはもってこいです!

弁理士
やっぱり野崎さんの笑いと真面目さの丁度良いバランスが素敵よね~!

イーパテント司会者
野崎篤志

特許部員
私はダンディズムを感じる押谷さんがカッコいいと思います!

知財実務オンライン司会者
押谷昌宗

弁理士
優しさと包容力の中に時折覗かせるブラックテイストがたまらない加島さん推しです…。

知財実務オンライン司会者
加島広基

主人公

特許部員
この3人は知財系YouTuberの推しメンがばらけていてよく揉めているんだ…。

主人公
今や知財系YouTuberにも「推し」がいる時代…。笑

特許部員

主人公
ありがとうございました。
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今回は超重要テーマ…技術成果の保護手段の選択(出願とノウハウ秘匿化)です。
技術成果の保護手段としては特許出願が代表的です。一方で、技術成果を最大限活用して事業を優位たらし[…]
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