前回のあらすじ

たま
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前回のあらすじ
今注目の文房具メーカーに研究者として勤める新は 上司である朔の薦めで特許部員の瑛大から特許のことを教わっ[…]
このお話で学べること
この記事の評判
拝見しました!漏れとノイズや、発明者と知財とサーチャーの連携について、めちゃめちゃ分かり安かったです。…すごいクオリティだっ!
— Mocco (@Mocco_cello) September 1, 2020
とても分かり易いです。 リツイートします。 https://t.co/mASJZCWx8G
— 山内 明@知財、技術、ビジネス 大好き人を支えたいコンサルタント (@IPL_Compass) August 30, 2020
調べるのは自分でやってもいいけど、本格的な調査は専門家と一緒にやることが多いです。 その時に最低限の特許と調査の知識があればコミュニケーションがはかどる!!! https://t.co/mr0BUokvUu
— 野口剛史@米国特許弁護士 (@koji_noguchi) August 31, 2020
わかりやすいし、フレンドリーな声がいい!調査の専門家の力を借りるとき、知っておいた方が相談しやすくなるポイントが簡潔にまとめてあります! https://t.co/4S4S7GOJIO
— ひろた:知財・登攀・ジオ・ソーシャル・グローカル (@hirota_ip) August 31, 2020
このツイートを見たら速攻で見に行ってしまいました。今回も楽しい会でした。 なんと新キャラが登場!!! そして、主人公の新たちが開発するテーマが明らかに!!! ストーリー性もバッチリですが、特許調査で重要な基礎知識の共有という点も詳しく語られています。 必見です!!! https://t.co/9ICN9Xo59k
— 野口剛史@米国特許弁護士 (@koji_noguchi) September 5, 2020
わかりやすいので、事業部内の知財ニュースにピックアップ。ホントはニュース中心なんだけど、ブログならギリセーフと、勝手に解釈して。 https://t.co/vZdR1xFC1h
— KMD (@k_m_d_ds) September 10, 2020
本編
週明けの月曜日。 チームを組んでいる新と颯真は、 新商品開発プロジェクトへのエントリーに向けて打合せをしていた。

主人公

先輩
特許読み慣れてへんって言うとったけどもう終わったん?
すごいやん!

主人公
瑛大さんに特許の読み方のコツを教わってからは一気に読みやすくなりました!
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主人公
面白い技術がたくさんありますね~。

先輩
でも今回のプロジェクトではもっとおもろい製品出したいから頼むで!

主人公
頑張ります!

先輩
未来の技術を開発していく俺たち研究者は、誰よりもワクワクしとかんとな!

主人公
そうですね!!

先輩

主人公
多くの人が毎日のように使うボールペンに、
何か新しい便利機能を付けたいなと思っています!

先輩
見かけに依らず新は勝負師やな!
ボールペンは文房具の花形やし競争も激しいで!
でも確かに今回のプロジェクトに相応しいネタでもある。
それでいこか。

主人公
でも実はまだ具体的なアイデアは浮かばなくて…。

先輩
そうや!そういう時は色んな新技術を学んで参考にしてみるのがええで!

主人公
それこそ特許制度を活用しないとですね!
ライバル達のボールペンに関する特許から技術を学んでアイデアを膨らませてみます!

先輩
それは俺も読んで勉強したいから最近のボールペンに関する特許を調査しておいてくれるか?

主人公
どうすれば?

先輩
特許調査はまだやったことなかったんよな。
これから丁度特許の勉強の時間やろうし、瑛大さんに教えて貰ったらどうや?

主人公
そしたら行ってきますね!

先輩
あ、そうや。
特許調査やったらあいつの力借りんとな。
特許部に俺の同期の葵(あおい)ってやつがおるから瑛大さんに紹介してもらうとええで。

主人公
聞いてみます!

先輩
お~い新、惚れるなよ。笑

主人公
もう行きますからね!

主人公



主人公
ご、ごめんなさい!
よそ見して・・・て。


おケガはないですか?

主人公

それじゃあ私行きますね。

主人公
めちゃくちゃ綺麗だったな、今の人。


主人公
今日もよろしくお願いします。

大学院生

特許部員
それじゃ今日も始めようか。
さっき電話で颯真くんから聞いたよ!
今日は特許の調査について知りたいんだよね?

主人公
新商品開発プロジェクトでやってみたい製品が決まったので他社の技術アイデアを参考にしたいなと思ってます。

特許部員
特許調査のことなら心強い味方がいるよ。
葵さ~ん!ちょっと来てもらえる?

特許部員
お待たせしました。

主人公
特許部員

特許部員
またやっちゃいました。笑

特許部員
紹介するね。
こちら3年目社員の新くんと、 大学院からインターンで来ている理人くん。
2人とも特許のことを学んでいるんだ。

主人公
よろしくおねがいします!

大学院生
宜しくお願いします。

特許部員
特許部で特許調査の担当をしています。

特許部員
特許調査のスキルを競う特許検索競技大会で準優勝の経験があるんだ!
…

特許部員
ドジは余計ですよ!

特許部員
失言だったね。笑
新くんが特許調査を依頼したいそうで、葵さんにお願いしても良いかな?

特許部員
お受けしますね。

主人公

特許部員
特許部員
葵さん、今世界の特許出願件数ってどれくらいだっけ?

特許部員


主人公
そんなとんでもない数の出願があるんですか?

大学院生
特許権って20年間続くものだから20年分にしたらとんでもない数ですね。

特許部員
但しこれは飽くまで出願された件数。
この中には権利にならずに途中で捨てられるものも含まれるよ。
とは言っても膨大な数だよね。

特許部員
その範囲を何とか工夫して切り出してくることが特許調査です。
特許部員
でも特許には特許の情報の特殊性があるから、そのための検索スキルが必要になるんだ。


主人公
国内大会で準優勝とか凄いです!

特許部員
大したことないよ…って言ったら不安になっちゃうか。
良い調査ができるようにがんばるね!
特許部員
その辺について2人に教えて貰えるかな?

特許部員
まずは特許調査が上手くいかないパターンを伝えるね。

特許部員


主人公

特許部員
理解が早いね!

特許部員

大学院生
そうすると、見たい特許の他に無駄な特許まで大量に入り込んでしまうんですね?


特許部員
そうなの。これだとノイズがとても多くなってしまうの。
特許部員

主人公
難しいですけど…①の方が困りますよね?
僕だったら①のリスクが怖くて②にしてしまいそうな気がするなぁ。

特許部員
どんな仕事もそうだけどリスクが怖いと安全ベースにいきたくなるよね。
でも、リスクを怖れ過ぎると収拾がつかなくなるよ。

大学院生

特許部員
だからこそ狙いに照準を合わせて検索範囲を絞る必要があるの!
①のような失敗はしないように注意しながらも攻めた検索範囲を設定する!
これが面白いの!

特許部員

特許部員

主人公

特許部員
葵さん、具体的な仕事の流れはどんな感じかな?

特許部員
絞り込むために必要な情報を研究者の方に出してもらって、それをもとに私が検索式を作ります。

特許部員


大学院生
そしたら特許検索にはプロがいるから僕達研究者には検索の知識はあまり必要ないですね。
大学院生

特許のことや検索のことが大事なのは分かりますけど専門領域はプロに任せた方が良いですよね?
研究者は少しでも研究に集中した方が良いですし。

特許部員
その気持ちはよく分かるよ。
でもね、特許の仕事は専門家だけに任せても決して良い結果は生まれないんだ。

主人公
詳しく教えていただいても良いですか?
特許部員
つまり、技術知識と特許知識の2つが絡み合って初めて良い特許になるんだ。

特許部員
さて、どうしたら良いかな?

大学院生
研究者は技術知識を、特許担当は特許知識を、ですよね?
特許部員
それじゃあ質問。
特許の法律や手続は完璧に知っているけれど理人くんの研究する技術がまるで分からない特許担当がいたとしよう。
理人くんは大事な特許出願を任せられるかな?

大学院生
いえ、任せられないです。
だって、それじゃあ僕のした発明の技術内容を話したって分かってくれないじゃないですか。
特許部員
技術と特許は質高く絡み合ってコミュニケーションをとることが1番大切なんだ。
でも、それぞれを専門家に任せているだけだと、相手の言っていることすら分からない。
打合せでどんな情報を出せば良いすら分からなくなるんだ。

主人公
特許部員
でも、朔や颯真くんのように一流の研究者はそんなことを言っているかい?

主人公

特許部員
そして高い次元で周りの専門家とコミュニケーションをとって活用する。
これはお互い様だと思うんだ。

大学院生
生意気言ってすみませんでした。
特許部員
だから僕は2人に特許の知識も身に付けて欲しいなと思っているんだ。

特許部員
良い検索をするには絞り込むための的確な情報が要る。
葵さんがどんな方法で検索をしているかを何も知らなくて、 果たしてそんな情報を出せるかな?

主人公
特許部員


特許部員
そしたら特許検索のやり方を簡単にレクチャーしてくれる?
特許にどんな情報が書かれているかは既に2人に教えてあるから。
たま 動画で学びたい方は一番下まで飛んで下さい。 前回のあらすじ 今注目の文房具メーカーに研究者として勤める新は 上司である朔の薦めで特許部員の瑛大から特許のことを教わっ[…]

特許部員
前に瑛大さんが説明したように、特許は公開公報という形式で文字情報として世の中に公開されています。
基本的にはその文字情報を手掛かりとして検索でヒットさせます。

特許部員
具体的には、2人が見たいと思っている内容の特許に高い確率で登場するようなキーワードを決めてヒットさせます。

特許部員

主人公
確かに、見る目的によっては絞って良さそうですね。
例えば、特許権は20年間だけなのでそれよりも前は切り捨てて良い場合もありそう。

特許部員
3つ目の手掛かりとなる情報はWhoの観点。

大学院生
これも目的次第ではアリですね。
特定のライバルの出願だけを見たい場合もありますもんね。

特許部員
さっきWhatはキーワードでヒットさせるって言ったんだけど、これってどう思った?

主人公
ちょっと間接的だなって思いました。
本当なら書かれている技術内容で直接的にヒットさせたいですよね。
でもそれは難しそうだな…。

特許部員
確かに、どんな内容かは、文章の裏にある読み取らなければいけない「意味」の範疇だよね。
これを直接検索するのは難しいの。

特許部員
代表的なものはIPC分類という世界共通の分類。
各国の特許庁が、全ての特許に共通の基準で分類を付与してくれているんだよ。

主人公
利用しない手はないですね!



特許部員
まずは近しい特許分類を選んできて大まかに技術範囲を区切ります。
次に、見たい特許に高確率で登場しそうなキーワードを決めてこれらを含む特許を検索します。
最後に、この両方が重なる範囲を切り出してあげることで検索範囲を決めていくイメージだよ。
特許部員

特許部員
打合せでそういうことが聞けたら良い検索ができます。

特許部員


主人公

特許部員
他に何か質問はあるかな?

大学院生
とても勉強になったんですけど、調査ってプロの力を借りないと絶対できないですかね?
大学の中にはそれを頼めるようなプロの方は居なくて…。
特許部員
きっちり調べる時は葵さんのようなプロの力が必要だけど、もっと気軽に調べたい時もあるよね。
そんな時は特許情報プラットフォーム(J-Plat Pat)を利用すると良いよ!

特許部員

大学院生
使い方はどうしたら良いですか?
特許部員
ちゃんと分かりやすくマニュアルも揃っているから。
…
特許部員


大学院生
ぜひ使ってみます!

特許部員
それじゃあ今日の勉強会はおしまい。
葵さんと新くんはこれから特許調査の打合せかな。

主人公
葵さんお願いできますか?

特許部員
よろしくね。
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