特許は陣取り合戦!?

 

 
たま
動画で学びたい方は一番下まで飛んで下さい。

前回のあらすじ

 

今注目の文房具メーカーに研究者として勤める新は 上司である朔の薦めで知財部員の瑛大から特許のことを教わっている。
そんなある日 新の先輩研究者である颯真が開発した渾身の技術について特許出願日で競り負けたことが明らかになった。
瑛大から出願日だけで勝負は決まらないことを教わった新は 颯真を元気付けるために飲みに誘った。
 
 
前回

    たま 動画で学びたい方は一番下まで飛んで下さい。 [adcode] 前回のあらすじ   今注目の文房具メーカーに勤める新は研究者として才能はあるもののなかなか成果が出せずに[…]

 

このお話で学べること

 

特許権の範囲ってどこまで?
2つの特許が一部重なる範囲はどうなるの?
特許権の範囲とビジネスはどう関係するの?
 
たま
こんな疑問ありませんか?
新たちと一緒に楽しく学んでいきましょう!

本編

 

仕事が終わり新は先輩の颯真を誘ってBarへ・・・。  

 

 


主人公
颯真さん何飲みますか?
颯真
先輩
そうやな~。
マティーニがええかな。

主人公
相変わらずお酒強いですね。
そ、そしたら僕もマティーニを・・・。
颯真
先輩
いやいや無理せんでええって。
好きなの飲み~や。笑

主人公
ありがとうございます!
カシスオレンジにします。笑
颯真
先輩
急に可愛くなるやん。笑

主人公
からかわないで下さい。
お酒は好きですけど強くないんです!笑
 
常にユーモアがあり面倒見の良い颯真。
そんな颯真を新は入社当時から慕っていた。
楽しい雰囲気でお酒を注文して乾杯をした二人。
 
颯真
先輩
ほんで今日はなんで飲みに誘ってくれたん?
新からとか珍しいやん。

主人公
あ、えっと・・・。
颯真さん今日の特許の件、出願日ギリギリ負けて残念でしたね。
颯真
先輩
なんや慰めようとしてくれたんか。
ありがとうな。
でも大丈夫やで。

主人公
瑛大さん言ってました!
特許は出願日負けてもそれで終わりじゃないって!
颯真
先輩
おおそうか。
今瑛大さんとこで特許のこと学んどるんか。
俺も昔教えて貰っとったで。

主人公
!!
そうなんですね。
どうりで特許のこと良く知っている訳だ・・・。
颯真
先輩
特許は研究そのものやで。
必ず役に立つ。頑張ってな。
颯真
先輩
ま、出願日負けたのは残念やけどしゃーない。
陣取り合戦は始まったばかりやしな。

主人公
陣取り合戦
どういうことですか!?
颯真
先輩
そうか。その勉強はこれからやねんな。
よっしゃ少し教えたろ。
颯真
先輩
そしたら一つ質問。
ある技術について新が出願したとする。
どこまでの範囲の特許権を貰えると思う?

主人公
??
それは・・・。
僕が実験で結果を出した範囲じゃないんですか?
颯真
先輩
・・・。
それで納得いくか?

主人公
えっ!!
そりゃもっと欲張りたいですけど・・・。
颯真
先輩
例えば新が転がらない鉛筆を世界で初めて発明したとしよう。
実験で結果を出したのは断面が六角形の鉛筆。
それで特許権の範囲は六角形だけでええのか?
五角形の鉛筆売り出されて納得いくんか?

主人公
納得いかないですよ!
確かに実験したのは六角形ですけど成果はそれだけじゃない!
多角形にしたのがポイントなんですから!

主人公
ん?あっ!?
颯真
先輩
気付いたか?
実験結果は「点」でしかない。
でも技術のポイントはもっと広く通用するんや。
颯真
先輩
それやのにちょっとだけ変えたような技術で真似されたらかなわんやろ?
せやから特許権の範囲は拡がりを持った「面」なんよ。

主人公
それで陣取り合戦なんですね!
正直、発明をしたら自動的に特許の範囲が決まるとすら思っていました。
どこに技術のポイントがあるのかを説明して陣地を広く認めて貰うってことですね?
颯真
先輩
新ってほんまポイント押さえるの早いよなぁ。
多分特許向いてるで。
その通り。発明をした後も勝負なんよ!
颯真
先輩
あともう一つ。
特許権は拡がりを持つ。
せやから2つの特許の範囲が一部重なることもある

主人公
なるほど!!
全く同じ特許は成立しないけど一部が重なることはあるんだ!
颯真
先輩
バッチリやな!
ちなみにな、特許権は1つや2つやない。
何件も出し合って陣取り合戦を制する!

主人公
ま、まさに合戦。
なんかカッコいいですね。

主人公
ん?待てよ。
重なった領域ってどうなるんだ?
結局誰がビジネスできるんですかね?
颯真
先輩
ええとこに気付いたな。
ここから先は明日瑛大さんに聞いてみ。
インターンの子と一緒に学んでるんやろ。
さ、飲も飲も!
 
それから時間を忘れて楽しく飲んだ2人。
終電の時間が近付いて来た頃、颯真がおもむろに切り出す。
 
颯真
先輩
あのさぁ新。
俺と一緒にチーム組まへんか?
2人で絶対プロジェクト勝ち取ろうや!

主人公
え!?
僕はもちろん心強いですけど颯真さん良いんですか?
颯真
先輩
研究開発はやっぱりチームや。
アイデア出し合って磨きたい。
それにな、朔さんの言うように俺も新はセンスあると思う。
最高の特許出そうや。

主人公
僕でよければ喜んで!
お願いします!
颯真
先輩
よっしゃ!
チーム成立!よろしくな。
 
颯真とチームを組んで新商品開発プロジェクトに挑むことになった新。
後にこの2人が強力な基本特許を生み出すことになるが、それはまだ先の話。
 
次の日の夕方・・・。
 
 

主人公
遅れてすみません!
会議が長引いちゃって!
瑛大
特許部員
お疲れ様!
大丈夫だよ。
理人くんと少し勉強進めていたから。

主人公
そうですか!
あっそうだ。
僕、颯真さんと研究チーム組むことになりました!
昨日は特許権の範囲について教えて貰いました。
瑛大
特許部員
颯真くんかぁ!
心強いね!おめでとう!
瑛大
特許部員
丁度良かった!
さっき理人くんに特許権の範囲について教えていたんだ。
同じところから勉強始められるね。

主人公
そしたら1つ質問良いですか?
2つの特許が重なった領域ってどうなるんですか?
誰がビジネスをできるんですか?
瑛大
特許部員
相変わらず良い質問だね!
せっかくだから特許の陣取り合戦の全ての領域を見てみようよ!
実は自分と相手の特許の関係で7つもタイプがあるんだよ?

主人公
7つもですか!?
ぜひ教えて下さい!
瑛大
特許部員
この話は結構面白いよ!
それじゃあ見ていこうか。
瑛大
特許部員
まずは自分か相手のどちらかだけの特許権がある範囲だね。

大学院生
これは基本的なところですね。
まさに技術を独り占めしてビジネスができるところですよね。
 


 
瑛大
特許部員
次に双方の特許権が重なっている範囲だね。

主人公
僕が知りたいところです!
瑛大
特許部員
ここはタイプが2つに分かれるんだ!
1つ目はお互いにビジネスができない範囲。
お互いに特許権が使えるからね。
重なっている場合は通常この状態なんだ。

主人公
えー!?
分かりますけど何か勿体無いです。
せっかく生み出した技術なのに使われないなんて。
瑛大
特許部員
そうだよね。
だからもう1つ道があるんだ。
それはお互いに協定を結ぶことなんだ。
クロスライセンスと言うよ。
お互い様だから特許権を使わずにビジネスをやりましょうと取り決めるんだ。
理人
大学院生
んー・・・。
それはそれで勿体無くないですか?
せっかく特許とったのに。
瑛大
特許部員
そんなことは無いよ。
飽くまで特許権を使わないのはこの2人の間でってこと。
他のライバルが入って来たら特許権を使っていくよ。
 


 
瑛大
特許部員
次は自陣内だけれど相手に貸し出す範囲があるよ。
相手からお金を貰う代わりにライセンスを渡してビジネスをさせてあげるんだ。

主人公
なるほど!
特許権で収入を得るやり方もあるんですね。

 
理人
大学院生
次はその逆ですかね?
瑛大
特許部員
ご名答!!
敵陣内だけれど相手から借り受ける範囲だね。
相手にお金を貰う代わりにライセンスを貰ってビジネスをさせて貰うよ。

 
瑛大
特許部員
最後まだ誰も特許権を持っていない範囲
誰でも自由にビジネスをしていいところだよ。
但し、いつ誰が特許権をとるか注意しなきゃダメだよ。

 

主人公
今回の話なんか凄かったです。
今までは漠然と特許をとるんだ!としか考えていなかったですけど・・・
特許がどうビジネスに繋がるかよく理解できました。
理人
大学院生
大学で研究していると猶更ですよ!
企業のビジネスが感じられて刺激的でした。
瑛大
特許部員
楽しかったみたいで良かった。
特許はね…技術を公開しないといけないっていうデメリットがあるし実はお金も凄い掛かる。
だから、ちゃんと使える特許を出さないとダメなんだ。
瑛大
特許部員
そのためにはやっぱり、研究者が特許のことを理解して日々の研究をする方が良いんだ。

主人公
何となくは分かるんですけど、大事なところなので詳しく教えて下さい。
瑛大
特許部員
自分とライバルの陣地がどこに拡がっているかを頭にいれておくんだ。
これを知らないと、既に相手の陣地があるところに向かって研究をしてしまうかもしれない。
わざと敵陣に特許を重ねにいって対等に持ち込むってやり方もあるけどね。笑

主人公
知らずに敵陣内で研究していてビジネスにならなかったら無駄骨ですもんね。
ライバル達の研究や特許のマップを頭に入れて研究の方向を決めるんですね。
 
 
理人
大学院生
聞けば聞くほどに特許の知識って研究に必須だなぁ。
そして、なんか知能戦で面白いです。
瑛大
特許部員
そう感じて貰えて嬉しいよ。
まだまだ大切で楽しいこと沢山あるから一緒に勉強しようね。
今日はおしまい。お疲れ様。

主人公
ありがとうございました!
理人
大学院生
ありがとうございました!
 
次回へ続く。

第4話

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