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今回は、『カプセルトイ』に関する記事です。
少し前の話ですが、近所のガチャガチャショップがリニューアルオープンし、連日賑わっております。

先日は新作のガチャガチャが設置されたそうで、列ができていました!!
私は延々とお金を投入してしまいそうなので足を踏み入れられず、盛り上がっている様子を外から眺めていると・・・とあることに気づきます。
ガチャガチャではなく「ガシャポン」だったの・・・?

恥ずかしながら、「ガシャポン」という呼び名をこのときに初めて知りました。
「カプセルトイ」「ガチャガチャ」「ガチャ」この微妙に呼び名の違うバリエーションは一体何者なのでしょうか?
ということで、今回はガチャガチャの世界について調べてみました。
※本記事は、2026年4月時点での調査に基づいて執筆しております。
呼び名のバリエーションは、各社の商標登録によるもの
これらの呼び名のバリエーションについて調べてみると、各社がそれぞれ商標登録を行っていることが判明しました。
まず、冒頭で紹介した「ガシャポン」の商標権者は、バンダイ株式会社でした。今回、私が見つけた「ガシャポンショップ」は、バンダイのオフィシャルショップだったようです。

なるほど「ガシャポン」の名称が使われているのが納得できますね。
バンダイではほかにも、「ガチャガチャ」「ガチャポン」など、複数の呼び名を商標登録しているようですが、近年は「ガシャポン」を使用しているようですね。
そして、「ガチャ」はタカラトミーアーツが商標権者の商標です。

そして、「カプセルトイ」が一般名称。つまり、権利関係を気にせず誰でも使用できる一般的な呼び方が「カプセルトイ」になりますね。

NanoBananaProにて筆者作成
普段何気なく使っている「ガチャ」「ガシャポン」など、カプセルトイにまつわるネーミングのバリエーションには、各社の商標権という「権利関係」が存在していたのですね。今となってはどのネーミングも世の中に広く浸透しているものの、実はそれぞれの企業がブランドとして保護しているのです!面白いですね。
カプセルトイビジネスは、メーカーとオペレーターによって実現
カプセルトイビジネスはどのような構成になっているのか、例えば、先ほど登場したバンダイとタカラトミーがどの立ち位置にいるのか?を少し調べてみました。
カプセルトイビジネスでは、主に「メーカー」と「オペレーター」のプレイヤーが存在します。
メーカーとオペレーターの役割の違いをひとことで説明すると、メーカーが“カプセルトイの中身”を作る存在であり、オペレーターはそれを“ユーザーに届ける場”を作る存在です。

先ほど「カプセルトイの名称」にて商標権者として登場した、バンダイとタカラトミーは「メーカー」の役割を担っています。メーカーは、カプセルトイの中身となる商品の企画・開発・製造を行います。どのようなキャラクターやコンセプトで商品化するかを考え、実際にカプセルに収まる形で製品を作り上げます。
一方で、「オペレーター」は、カプセルトイマシンの設置や運営を担うプレイヤーです。具体的には、商業施設や駅などにマシンを設置する場所を確保し、どの機種をどこに置くかを選定します。さらに、商品の補充や売上管理などを担っているのもオペレーターです。
近年では専門店型の展開も増えており、「どのようなカプセルトイ空間を作るか」といった売り場づくりにオペレーターが注力していることが分かります。
例えば、最近よく見かける「ガチャガチャの森」がまさに専門店型の展開ですね。「ガチャガチャの森」を運営するのは、株式会社ルルアークです。

(筆者撮影)
「ガチャガチャの森」は商標登録もされております。

最近、専門店型のカプセルトイマシン設置エリアが急に増えたように思います。
これは、株式会社ルルアークをはじめとする「オペレーター」の勢力が増しているのかもしれません。
さて、ここで少し話を戻します。冒頭でご紹介した店舗は、バンダイのオフィシャルショップでした。店内も、バンダイのカプセルトイがずらりと並んでいました。

バンダイはカプセルトイの企画・製造からカプセルトイマシンの運営まで一気通貫で行っています。つまり、バンダイは、「メーカー」の役割も「オペレーター」の役割も担っているということなのです。そんなバンダイが展開している「スマートガシャポン」と、それにまつわる特許の内容をご紹介します。
バンダイの「スマートガシャポン」と特許
さて、昔のカプセルトイといえば、100円玉を投入し、ガチャガチャという音をさせながらハンドルを回し、カプセルをゲットする、といったような記憶がありますよね。
最近は価格帯もカプセルトイによってそれぞれですし、時代の流れに乗り、現金以外での決済ができるようになってきたんですね。
バンダイでも「スマートガシャポン」という名前で提供されています。

現金・キャッシュレスのどちらの支払いもOKというマシンも登場しているようです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000087.000038376.html
両替の手間がなくなるので、スマホ決済でカプセルトイが楽しめるのはありがたいですね!
カプセルトイを、現金でもスマホ決済でも動かせるようにしつつ、その仕組み自体はシンプルにするというアイデアについて、バンダイが特許取得していました。この仕組みそのものが実際に「スマートガシャポン」に搭載されているかは分かりませんが、どんな特許が取得されているのか、見てみましょう。
特許第7016087号
特許権者 :株式会社バンダイ・有限会社 和晃
発明の名称:物品供給装置、サーバ及びユーザ端末
出願日 :令和2年7月17日(2020.7.17)
ステータス:特許有効(年金の支払い)
発明の内容をひとことで紹介すると「現金で支払った場合も、電子マネーで支払った場合も、同様のロック解除機構によってマシンの操作が可能になる!」といったものですね。

NanoBananaProにて筆者作成
上の図に示すように、支払いは、硬貨を投入しても、スマホでの決済でもどちらでもOKです。硬貨であれば枚数をカウント、電子マネー決済であればサーバーからの支払い完了通知を受信します。これにより、支払いの完了を確認しています。
支払いの完了が確認できると、ガシャポンのハンドルのロックが解除され、ユーザが操作できるようになります。ここでポイントなのが、硬貨で支払った場合も、電子マネー決済の場合も、ハンドルロックの解除は同じ機構が用いられます。支払い方法は2つ、でもロック解除機構は1つ、といったシンプルな構成になっているのです。
ハンドルのロックが解除されると、ユーザはハンドルを回してガチャで遊ぶことができます。
さらに、誤って二重決済が行われないように、硬貨の投入を検知する機構(硬貨検知部)が活躍します。プレイ分の硬貨が既に投入されたことを検知すると、サーバに通知し、電子マネーの決済を受け付けないようにしているのです。
逆のパターンについても記載されており、電子マネーの決済が完了している場合は、硬貨の投入口が塞がれるといった制御も記載されていますね(請求項3)
単に支払い方法が選べる便利さの裏には、制御機構の工夫があったのですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世の中で当たり前のように使われている「ガチャ」「ガチャガチャ」の呼び名は、実は各社の商標権という権利関係が存在していることがわかりました。
これらの呼び名は、一般名称である「カプセルトイ」とは役割が異なり、各企業によって大切に守られているブランド名です。
ネーミングや、キャッシュレスの仕組みなど、奥深さを知ってしまうと、カプセルトイショップに行きたくなってしまいますね。「回し過ぎには注意!」しつつ、カプセルトイの世界を楽しみたいと思います!
オモチさんが執筆される身近で楽しい記事をこれからもご期待ください!

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作家名
金田 有美子(通称オモチ)
略歴
弁理士として特許事務所で働く傍ら、身近な商品・サービスと知財をテーマに記事執筆をしています。企業知財経験もあります。
現所属先
弁理士法人IPX
https://ipx.tokyo/member/yumiko_kanada/
BAMBOO INCUBATOR 専門家メンバー
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